2025年秋冬コレクションは、デザイナー岩井良太氏の日々の体験や思索によって生み出されました。インスピレーションの源は、ある友人。ある日は洗練されたスーツを、また別の日には着古したTシャツを身にまとい、どちらも違和感なく彼らしさを放っていました。その飾らない個性に心を打たれたことが出発点です。

今季は、そうした“個人の歴史から生まれる魅力”を映し出し、思い出の詰まったアイテムとモダンなワードローブとの関係性を表現。古びたレザージャケットや安心感を与えるカーディガン、擦り切れたベースボールキャップ──大切な記憶の品々に敬意を払いながら、現在の文脈に調和する洋服をイメージしました。お気に入りの古いTシャツが、ラグジュアリーなカシミアコートと同じ意味を持つような、過去と現在がつながる新しい価値観を提案しています。

レザーやカシミアモールスキン、メリノムートンなど上質な素材を用いたアイテムは、コンフォートで温かみのあるスタイルと組み合わせることで、都会のライフスタイルに寄り添う心地よさを実現。オリーブやブラウン、チャコールなどの落ち着いたトーンをベースに、赤やグリーン、柔らかなニュアンスカラーを差し色にしています。

AURALEEの哲学に忠実に、ファブリックの細部にまでこだわったクラフトマンシップが光るコレクションです。